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【自分の当選見込み判断に】地方議員選挙の「基礎票」の数え方【勝ち抜いてきた議員のノウハウ】

 

この記事を読むとわかること

  1. 自分の当選見込み判断に必要な「基礎票」とは何か
  2. 地方議員としての「基礎票」が自分には何票あるのか、種類と数え方
  3. 地方議員選挙で、あてにすると危険な票とは何か

自分は当選できるのだろうか
あなたが議員を目指しているなら、これが出馬前の究極の不安でしょう。

そしてこうもお考えになると思います。

立候補する前に、自分の当選の見込みを判断したい

それはいったいどのように判断したらよいのでしょう。

 

 

 

いろいろ情報を探しても、選挙関連ノウハウは国会議員向けのものが中心で、市議会議員や県議会議員など、地方議員選挙向けの情報は、ほとんど見当たらないのが現状です。

 

がんばる君
地方議員の実情に合わせた本記事を是非参考にしてみてください。

 

この記事では、地方議員選挙に特化して「当選できる見込みはどの程度あるのか」をご自分で分析するために必要な「基礎票」について、現実に即してご説明します。
【筆者やまべみつぐ/編集やまべちかこ】について
やまべみつぐ(山辺美嗣)
通産官僚、国連(ジュネーブ)、独法(ニューヨーク)での勤務を経て、県議に。日本初の地産地消政策や、地方議員としてロシアとの直接交渉などを実現しました。その後、県議会議長に就任。保守三つ巴の熾烈な選挙戦を経験し、他の候補者の選対としても活動しました。現在、政治行政のコンサルタント。

やまべちかこ(山辺千賀子)
元人材育成コンサルタント。産業カウンセラー・ローカル局ニュースキャスター・ナレーター(恩師|お茶の水博士・ベルクカッツェ)・女性組織創設運営など、仕事の経験と、議員の妻としての立場、認知症や身障等の家族(計5人)との暮らしなどで経験した暮らしのノウハウ等もお伝えしています。

議員引退を機に、故郷の雪国から子や孫のいる関東に転居。孫4人。

 

地方議員における「基礎票」とはなにか

当選の見込みは、自分が手堅く集めることができる票「基礎票」が、どのくらいあるのか確認することでわかります。

そのためにはまずは地方議員ならではの「基礎票」を理解することが大切です。

このブログでは、「基礎票」を次のように定義しています。

 

選挙で事前に見込まれる票数のこと。あなたに手堅く投票してくれそうな人の数。
※ 「有権者の人数」を「票」と表現する場合があります。人のことを「票」と呼ぶことには抵抗がありますが、選挙の慣習として「票読み」等の言葉を使うためそれに準じて説明します。

 

地方議員選挙への立候補を考えているなら、自分の「基礎票」とは何かを理解することで、その後の展開にも道筋が見えてくるはずです。

 

やまさん
国会議員選挙で使う「基礎票」とは区別しておくことが大切ですね。

 

 

 

国会議員の「基礎票」は、政党の支持母体の組織や、地方議員が築いた「基礎票」を集めてつくられる。つまり立候補する前から票読みができる。また、地方の党員らも、それぞれ自分の人間関係をベースに票読みができる。
一方、地方議員の場合、候補者は、自分で「基礎票」をつくっていくことから始める。

 

結局、地方議員選挙での「基礎票」って何ですか。
あなたの「リアルな人間関係」です。
地方議員選挙での「基礎票」とは、あなたの「リアルな人間関係」の人数にほかなりません。

では、さらに具体的にご説明していきます。

がんばる君
その前にちょっとお知らせです。

併せて読むと、当選見込み判断ができます。
※ 
この記事で【基礎票】を把握したら、次は【当選ライン】の検討をしてみてください。関連記事のタイトルは、「【選挙戦略】当選するには何票を目指せばよいのか|市議会議員・県議会議員ほか【地方議員】」です。リンクは本記事の下部に貼ってあります。


 

 

なぜ「リアルな人間関係」の人数を、地方議員選挙における「基礎票」とするのか

「リアルな人間関係」には限りがあります。
その限りある人間関係が、選挙の当落の要となる「基礎票」だと知ると、こんな気持ちになるかもしれません。

  1. 自分にはそんなに多くの人間関係が無いので議員になれないのではないか
  2. 「リアルな人間関係」は、うっとおしくて苦手だ

恐らく多くの方が、程度の差はあってもこの両方の思いを持つかもしれません。

 

だからこそ、このブログをお読みいただく事で、

  1. どうやって人間関係を増やしていくのか
  2. うっとおしい人間関係をどのように考えて議員を目指すのか

をご理解いただけることを願っています。

 

 

 

選挙は、得票数で決まるという現実

地方議員選挙で、投票所に足を運んで投票してくれるのはどんな人?

たった1票のためにわざわざ投票所に行って票を投じてくださる有権者には、「候補者と何らかのつながりがある」人の割合が高いはずです。次に示すのは、地方議員選挙の「あるある」です。あなたも心当たりがあるのではないでしょうか。

 

たとえば、有権者が票を投じる動機やきっかけの多くはこんなふうです。

「高校の先輩らしいんだよね、あの候補者」

「親会社から〇〇候補者、宜しくって」

「あの候補者はPTAの世話をよくしてくれてる」

「あの候補者、いつも買い物にきてくれるお客さんの親戚だって」

「候補者と何らかのつながりがある」から、
たった一票のために
わざわざ投票にでかけてくださるのです。

 

「あなたと何らかのつながりがある」方々の言動が、ひいては候補者の評判となり、知名度を向上させ、「あなたと直接のつながりが無い」有権者にも投票行動をうながすことになります。

 

 

 

やまさん
地方議員選挙で、国政選挙を占うと言いますよね。なぜだかわかりますか。
がんばる君
そういえば、国会議員が多い政党は、地元に地方議員がいっぱいいる。地方議員が地元にリアルな人間関係を築いているから「票が読める」ってことかぁ。
やまさん
民主主義というのは、結局、議員がどれだけ有権者一人一人とつながっているか、それが政治の力となるということなのでしょう。

 

地方議員選挙では、かなり有名なタレント候補者であっても「リアルな人間関係」の無い選挙区で当選することは難しいと言わざるを得ません。

もちろん街頭演説やビラ配りなどを疎かにするわけにはいきませんが、地方議員選挙では、「リアルな人間関係」を核に据えないことには、戦えないと考えることが大切です。

 

地方議員選挙では、リアルな「人間関係」を核にして選挙戦を戦う

 

議員の「人間関係」について

あなたのあらゆる人間関係は、議員を目指した瞬間から、「票」になるかどうかを判断する対象となるでしょう。

もちろん票のためだけに人間関係を築くような人では、別の問題がありそうですが、当選しない事には議員として活動することができない現実は常に自覚しておく必要があります。

当選しない以上、議員としての活動はできない。
志があるのなら、当選する義務と責任がある。 

 

 

人間関係の種類

地方議員選挙の「基礎票」に数えられる「人間関係」を、次の7つに分類してご説明していきます。
「家族関係」(血縁)
「親戚関係」(血縁)
「同級生・先輩・後輩関係」(地縁)
「近所と地縁関係」(地縁)
「その他の個人的な信頼関係」
「商工会・JC・消防団・赤十字奉仕団・青年団などの仲間」(団体の仲間)
「ボランティア仲間・宗教信者仲間・趣味仲間・スポーツなどの仲間」(団体の仲間)

 

やまさん
6と7の団体の仲間の票は、安易にあてにすると危険ですよ。
がんばる君
詳しい説明は、読み進んでくださいね。

 

 

「基礎票」が期待できる人間関係(代表例5つ)

地方議員選挙において「基礎票」が期待できる「人間関係」は原則として次の5つです。

「家族関係」(血縁)
「親戚関係」(血縁)
「同級生・先輩・後輩関係」(地縁)
「近所と地縁関係」(地縁)
「その他の個人的な信頼関係」※ただし注意が必要

選挙となると最も重視されるのが、いわゆる「血縁」と「地縁」です。
候補者が掲げる政治理念や志の前に、現実として「血縁」「地縁」がいかに大きな影響力があるかということは、世襲議員の優位性からも一目瞭然です。

血縁は、家族や親戚のこと。
地縁は、土地が縁でつながる同級生や近所の皆さんのこと。

では一つ一つ具体的に見ていきましょう。

「家族関係」(血縁)の票

人間関係の中でも、とりわけ重要なのがやはり何といっても「家族」でしょう。
家族の人数を、まず基礎票としてカウントできることは大変重要です。
家族が一番の核となり、そこからの広がりが基礎票になっていくと言っても過言ではありません。

 

やまさん
どんなことにも例外はあるから、家族に期待できなくてもいいんですよ。
がんばる君
ただ厳しい道であることは確かでしょう。覚悟は必要そう。

 

特に親戚やご近所は
「家族が一丸となって頑張っている」姿を見て応援して下さる傾向にあります。

逆に言えば「家族の理解も得られてない」という候補者に対しては冷ややかになってしまう現実があるということです。

また多くの候補者は、家族の協力を前提に、次の負担を軽減して選挙に臨んでいます。

◆家族の協力があれば助かること

  • 食事やゴミ出し、お風呂準備などの家事全般
  • スーツやシューズなど身だしなみの準備や手入れ
  • 急に必要となった物の買い物
  • 家族の急病、急用への対応
  • 来客や電話、郵便物などの対応

家族にこうした協力が期待できない場合、かなりの困難が伴うことは覚悟したほうがよいでしょう。

 

 

 

 

また、家族には、次の点について丁寧に説明し、理解と協力を求めておくことをおすすめします。

◆家族と話しておきたいこと◆

  • 選挙が終わるまでにかかる費用(政治活動、選挙運動ともに自己負担がある)
  • その間の生活費
  • 当選後の収入の見込
  • 落選した場合の生活の建て直し

 

家族の協力が得られれば、早速、基礎票を数えましょう。
その家族が声をかけてくれることで「選挙になれば、あなたに手堅く投票してくれそうな人の数」が何票となるか、数えるのです。

「家族関連の基礎票」の数え方 [例]

◆家族本人から得られる票数「あ」票

◆家族が広げてくれそうな票数
父  :         「い」票
母  :         「う」票
弟  :         「え」票
妹  :         「お」票
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
合計 「あ」+「い」+「う」+「え」+「お」=  票 

 

 

 

「親戚関係」(血縁)の票

次は親戚です。

有名人になると、にわかに親戚が増えると言われていますね。
有名人の権威にあやかろうと親戚が名乗りをあげてくるというわけです。

議員候補者にはこれを逆手にとった発想が大切です。

 

すみやかに親戚を増やす

 

親戚の中でも、いとこなど、親しくしている人がいたら是非挨拶に行きましょう。
一目置かれている長老を立てることも大切です。

親戚とは疎遠になっている方も少なくないかもしれませんが、思い出をたどれば、昔遊んでくれたおじさんおばさんの顔くらいは浮かぶのではないでしょうか。

そしてその親戚を足がかりにどんどん親戚の輪を広げていくのです。
いとこや、またいとこが結婚していれば、新しい親戚も広がっているはずです。

 

 

 

 

親戚とは疎遠なので頼りたくない。友人から仲間を募るつもりだがどうだろう。

それはとても素晴らしいことですね。友人を大切にしてきた方だからこその発想だと思います。ただ、ここで考えていただきたいのは、親戚と友人のどちらが「あなたが立候補するなら無条件に応援する」と言ってくださる可能性が高いかと言うことです。

あなたが誰かに立候補の相談を持ち掛けた時、相手からは必ずと言っていいほど「あなたの支援をしようとする人は何人くらいいるのか」とたずねられることになるでしょう。その際「まだ相談し始めたばかりだけど、〇人はいる」と答えられるのとそうでないのとでは大違いなのです。「〇人はいる」と答えられるとその後の展開がスムーズになりやすいものです。

ですから本来は親戚でも友人でも誰でも構いません。二つ返事で「あなたが立候補するなら、応援する」と言ってくれそうな人からお願いに回りましょう。まずは快諾してくださる方の人数が、その後の活動の「力」の核になります。

 

地方では、「血縁」が思いのほか重視される傾向にあります。親戚だというだけで無下に断れないという心理が働く風土であれば、先に親戚に話を通して、形だけでも「わかった、応援する」と言っていただけることが「力」になります。

理屈抜きに「わかった、応援する」と言ってくださる方々。この方々へできる「最大のご恩返し」は、議員として活躍することです。その覚悟で臨みましょう。

 

 

 

「親戚関連の基礎票」を確認する手順 (例)

【1】親戚の中から次に該当する人に挨拶や相談に行く

  • 親しい人
  • あなたの志を理解してくれそうな人
  • 社会的な肩書を持つ有力者

【2】お願いに行った相手が、それぞれ何人くらいに影響力を発揮してくれそうか「あたり」をつける

「親戚関連の基礎票」の数え方 (例)

◆親戚本人から得られる票数 「あ」票

◆それぞれの親戚が広げてくれそうな票数
秀夫おじさん       :「い」票
恵美子おばさん      :「う」票
おさむ君(いとこ)    :「え」票
みちこちゃん(弟の妻の姉):「お」票
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
合計 「あ」+「い」+「う」+「え」+「お」=票 

 

 

 

選挙区の外に住んでいる親戚も、思った以上に協力してくださるものです。
その親戚の友人や知人、職場の同僚などが、あなたの選挙区内にいることも少なくありません。

 

筆者のエピソード

選挙区の隣の市で税理士をしている遠縁の長老は、毎日の個人演説会で候補者(私)の良い所をとり上げて、頭を下げてお願いの挨拶をしてくれました。
選挙区内のいとこは、事務の裏方を一手に引き受けてくれました。骨の折れる雑多な用事を長年にわたり黙々と担ってくれました。
他にも多くのいとこや親戚、また私の弟妹なども、それぞれの同級生などに電話や個々面接(戸別訪問ではない)で投票依頼をしてくれたのが、1票1票の積み上げになりました。

では次に「地縁」、土地を縁とした人間関係について考えていきます。

 

「同級生・先輩・後輩関係」(地縁)の票

保育園や幼稚園、小学校、中学校、高校などが、あなたと同じ人。

大学と違い、この同級生は、あなたの選挙区内に今でも住んでいることが少なくないものです。

同級生や、先輩・後輩は、多くの方にとって特別な存在でしょう。
共に学び、同時期に成人し、その後も初老や還暦を迎え、一緒に年老いていく運命共同体の意識があるものです。

 

親しかった友人が多いとは言えず、困っています。

仮に当時親しくなかったとしても、大人になってから「同級生」「同窓生」として再会することで、相手も快く迎えてくれることが少なくありません。
その上、同級生や同窓生同士が知り合いなので、団結してくれることも期待できます。

部活などの先輩後輩も大いに頼りましょう。
野球等のスポーツを始め吹奏楽などの強豪校であれば、先輩後輩など縦のつながりも強いはずです。

 

 

 

共通のバックボーンがあるというのは大変な強みです。
選挙前の政治活動期間や、選挙運動期間においても、時間を割いて応援してくれることもあります。

手順と数え方は、親戚と同様です。

ここをクリックして確認してください。
基礎票その3「同級生・先輩・後輩関連の基礎票」を確認する手順と数え方の例

「同級生・先輩・後輩関連の基礎票」を確認する手順 (例)

【1】同級生・先輩・後輩の中から次に該当する人に挨拶や相談に行く

  • 親しい人
  • あなたの志を理解してくれそうな人
  • 社会的な肩書を持つ有力者

【2】お願いに行った相手が、それぞれ何人くらいに影響力を発揮してくれそうか「あたり」をつける

「同級生・先輩・後輩関連の基礎票」の数え方 (例)

◆同級生・先輩・後輩、本人から得られる票数 「あ」票

◆それぞれの人が広げてくれそうな票数
同級生の金谷君   :「い」票
部活の中谷先輩   :「う」票
生徒会仲間の河合君 :「え」票
後輩の坂井さん   :「お」票
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
合計 「あ」+「い」+「う」+「え」+「お」=       票 

選挙区の外に住んでいる方も、思った以上に協力してくださるものです。

 

 

 

「近所と地縁関係」(地縁)の票

ご近所や隣の町内など、生活圏が同じ人の中には次のような人がいます。

地元の名士
近所の人気者
町内会の世話人
商店街のまとめ役
地元経済界の重鎮
自治会の役員
PTA関係者
元議員
お稽古ごとの先生

ご近所と地縁関係者に支援者になっていただけるかどうか、これは大変重要です。
地方議員選挙は、結局のところ地域対抗になってしまう事は少なくないからです。

 

がんばる君

そういえば選挙運動の最終日の「最後のお願い」を、近所を回って締めくくる様子を見かけます。

やまさん
当選ラインを突破できるかどうかは、地縁関係者への最後のお願いで決まると言われていて、みんなご近所を重視しています。

 

 

 

地元で「最後のお願い」が多く行われているのは、地縁が大きな力であることを示しています。

 

手順と数え方は、これまでと同様です。

ここをクリックして確認してください。
基礎票その4「近所と地縁関係者関連の基礎票」を確認する手順と数え方の例

「近所と地縁関係者関連の基礎票」を確認する手順 (例)

【1】近所と地縁関係者の中から、次に該当する人に挨拶や相談に行く

  • 親しい人
  • あなたの志を理解してくれそうな人
  • 社会的な肩書を持つ有力者

【2】お願いに行った相手が、それぞれ何人くらいに影響力を発揮してくれそうか「あたり」をつける

「近所と地縁関係者関連の基礎票」の数え方 (例)

◆近所と地縁関係者、本人から得られる票数 「あ」票

◆それぞれの人が広げてくれそうな票数
近所の人気者 佐々木君 :「い」票
溝口自治振興会会長   :「う」票
津田元議員       :「え」票
地元経済界の重鎮 中西氏:「お」票
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
合計 「あ」+「い」+「う」+「え」+「お」=   票 

 

 

 

「近所と地縁関係者関連で重要な「敵をつくらない配慮」

近所と地縁関係者へ、相談や挨拶をする際、とても重要なことがあります。

相談や挨拶をする順番に配慮する

この配慮を怠ると、へそを曲げられて、敵に回られてしまう事まであるのです。

 

ポイントをまとめると次のようになります。

  • 肩書と年齢の両面から、上下関係を判断するとよいでしょう。
  • 元首長、元議員、元自治会長などがへそを曲げると、やっかいなことになりがちです。
  • 同格の人が複数人いるなら、同一日に挨拶回りに行くなどして「自分が後回しにされた」と感じさせないようにしましょう。

 

 

 

近所と地縁関係者で注意したほうがよいタイプ

隣近所の目があるような土地では次のような人も現れます。

  1. 近所にいながら手伝わないのは体裁が悪いので気乗りしなくても手伝ってくれる
  2. 関わりたくないとして距離を置かれた


①のタイプの方には敵に回られないよう気を抜かないようにしましょう。
本音では「近所から候補者が出るのは迷惑だ」と思っている方なので、不満がたまるとこじれてしまうこともあります。

②のタイプの人には、無理に関わろうとしないほうがよいでしょう。

 

 

 

「その他の個人的な信頼関係」にある人の票

これまでご紹介してきた「基礎票」のどのカテゴリーにも属さないものの、個人的な信頼関係がある人がいらっしゃると思います。

その場合、その方がどのような立場であるかを問わず、その信頼関係を基に、あなたの右腕や参謀になっていただくとありがたい人物かもしれません。
是非、早めに相談し、これからのことを一緒に考えていただくとよいでしょう。

(ただし安易に期待するのは禁物です。その理由は次項を参考にして下さい)

 

手順と数え方は、これまでと同様です。

ここをクリックして確認してください。
基礎票その5「あなたと個人的な信頼関係にある人の基礎票」を確認する手順と数え方の例

 

 

 

「あなたと個人的な信頼関係にある人の基礎票」を確認する手順 (例)

【1】「あなたと個人的な信頼関係にある人」には、挨拶や相談に行くとよい

【2】お願いに行った相手が、それぞれ何人くらいに影響力を発揮してくれそうか「あたり」をつける

「あなたと信頼関係にある人の基礎票」の数え方 (例)

◆「あなたと個人的な信頼関係にある人」本人から得られる票数 「あ」票

◆その人が広げてくれそうな票数
A氏   :「い」票
B氏   :「う」票
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
合計 「あ」+「い」+「う」= 票 

 

ところで、あなたと個人的な信頼関係にある人とは、どのような方でしょうか。
次の項目で示す、「様々な団体」で出会った人かもしれません。

その場合、必ずしもあなたの支援者になって下さるとは限りません。
慎重に見極める必要がありますので、どうぞ読み進めてください。

 

 

 

「基礎票」になるかどうか判断が必要な人間関係【代表例2つ】

場合によっては「基礎票」となりうる「人間関係」は次のものです。

「団体票」その1:商工会・JC・消防団などの仲間の票

市議会議員選挙を例に挙げると、上に例示した団体は基本的には市の全域をカバーして組織されています。
団体の会員は市内の各地域に住んでいて、その地域を地盤としている市議会議員と長年の人間関係もあります。
また、同じ団体に現職議員がいたり、議員を目指す新人もいる場合には、団体内での競合があります。
加えてこれらの団体は「公益団体」ですから、組織的に「あなた一人を応援してくれる」という状況を考えることは困難と考えられます。
結論としては団体票というものは存在しませんが、あなたが団体活動を通して個人的に築いた人間関係は重要な基礎票になるでしょう。

 

 

「団体票」その2:ボランティア仲間・宗教信者仲間・趣味仲間・スポーツ仲間などの票

こちらは同じ「団体」でも、ほとんど「基礎票」にはならない「人間関係」です。
この団体は、あくまで個人的な楽しみや生きがいなどで集まった仲間でしょう。
その人間関係で、「仲間であるあなたを支援するのが筋である」といった拘束力になるものはあるでしょうか。

つまり他に直接の利害関係が発生する人間関係があればそちらが優先されると考えておいた方がよいのです。

たとえば同じ団体に属していても、その人に次の条件があてはまれば、そちらを優先することが多いはずです。

  1. その人の家族に、あなたではない他の候補者(現職含む)がいる
  2. その人の親戚に、あなたではない他の候補者(現職含む)がいる
  3. その人の近所に、あなたではない他の候補者(現職含む)がいる
  4. その人の同級生・先輩・後輩関係に、あなたではない他の候補者(現職含む)がいる
  5. その人の活動仲間(JC・消防団・赤十字奉仕団など)に、あなたではない他の候補者がいる

 

 

更に、もし次のような関係があれば、より優先されることもあるでしょう。
  1. その人やその人の家族の勤務先の経営者らが候補者
  2. その人やその人の家族の仕事の取引先から、候補者を推薦された
他にも、優先される関係はいくらでもあるはずです。
結論としては、これらの団体は組織的に政治への関心が高いとは言えないため、団体票を期待できないと考えられます。
ただし仲間のうちでも、あなたと強い信頼関係にある個人個人は重要な基礎票になるでしょう。

 

ボランティア仲間・宗教信者仲間・趣味仲間・スポーツ仲間などは、「仲間」とひとくくりにせず、個人的に強固なつながりがあるかどうかで判断する。

※ 創価学会や旧統一教会など、「組織票」が見込める宗教も一部あります。

 

 

 

昨今、政治と宗教が取りざたされていますが、日本には大小さまざまな宗教団体があります。しかも「家は浄土真宗だけど自分はクリスチャンで、新年は神社にもちゃんとお参りに行く。最近はスピリチュアルな仲間とパワースポット巡りが趣味。」といったようなケースまで見受けられるようになりました。
多くの外国では、宗教観が人生観そのものになっていることが少なくありません。そのため、信仰を中心とした人間関係が、そのまま社会の基盤にもなっているのでしょう。日本の場合、信仰が、暮らしの基盤に及んでいませんので、信仰をもとに投票活動が行われることは少ないのです。ただ本来なら、正しい信仰や正しい道徳的規範に基づいた人間関係が社会の礎となれば、現在の「損得優先主義」とは違う社会になると思います。

 

 

がんばる君
もし私が政党に所属して出馬するなら、当然、その党員や、政党の支持団体の関係者が、自動的に「基礎票」になると思っていたのですが・・・。
やまさん
国会議員の選挙の時は、確かにそうなっていますね。でもそうなるためのムードづくりや、選挙運動は誰がしているのでしょうか。
がんばる君
そりゃあ、その党の地元議員たちが、汗だくで頑張って、政治活動や選挙運動繰り広げるからでしょう。

 

 

やまさん
国政選挙のときは、候補者本人がいなくても、地元の議員さんが「今度の国政選挙は〇〇さんにお願いします」と言って回っていますね。地元の地方議員選挙の時は、誰が候補者の代わりに活動してくれるのでしょうか。
がんばる君
・・・なんだか不安になってきた。たとえば私が政党から市議会議員に出馬するなら、その政党の党員さんたちが私を応援してくれるのですよね?
やまさん
がんばる君は、その党の党員さんたちと、どの程度信頼関係があるのかな?
がんばる君
え?
やまさん
現職の地方議員は、地元で一人一人と信頼関係を築いて、当選しているといっても過言ではありません。地方議員の候補者にとっては、地元一人一人との人間関係が大切になってきます。
がんばる君
なるほど、世襲議員や地元企業の経営者が、選挙に有利なのは、すでに多くの人とつながっているからなんですね。そうではない私はいっそう人間関係づくりに励もうと決意しました。

 

 

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【③ 地方議員と支援者への応援情報】
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