このカテゴリーでは、地方政治に関する基礎情報をご紹介しています。
- 【筆者について】
- 山辺美嗣、もしくは山辺美嗣の情報をもとに夫婦で執筆しています。
【やまべみつぐ(山辺美嗣)】
通産官僚、国連(ジュネーブ)、独法(ニューヨーク)での勤務を経て、その後県議会議員に。日本初の地産地消政策や、地方議員としてロシアとの直接交渉などを実現しました。保守三つ巴の熾烈な選挙戦や、他の候補者の選対としても活動した経験を基に執筆しています。現在、政治行政のコンサルタント。【やまべちかこ(山辺千賀子)】
元人材育成コンサルタント。ニュースキャスターや番組ナレーター(恩師|お茶の水博士・ベルクカッツェ)、女性組織創設運営などの活動を地方で行ってきました。議員の妻としての立場、認知症や身障等の家族(計5人)との暮らしなどで経験したノウハウもお伝えしています。夫の議員引退を機に、故郷の雪国から子や孫のいる関東に転居。孫5人。
「法律」と「条令」の違い
法律と条例
- 国会で、議決により決定する「法」が「法律」
- 地方議会で、議決により決定する「法」が「条例」
それぞれ呼び名が違いますが、「法」の仲間であり、役割は同じです。
また、法の内容は「何をすべきか」「何をしていけないか」という、促進する事項、あるいは、禁止する事項を記述した「拘束力のある文書」になります。
促進事項については実行することが義務になりますし、禁止事項については違反すると罰則が適用されます。
法律と条令の関係
長らく「法律は、条例より上位の法形式であるため、条例は、法律の範囲内で制定しなければならない」と、法律上位が厳しく求められてきました。
しかし最近は「法律に違反しない限り、条例を制定することができる」と、地方分権推進の観点から条例に広く自由度を認める動きが出てきています。
例えば、外国資本による国内の水源地域買収を制限する法律が無いことに危機感を持った地方自治体が、本来は国が定めなくてはならないような内容を、水源地域保護条例として制定したことが挙げられます。
このように、「法律と対等な」条例を制定することができるようになってきているのです。
「予算」とは
予算
予算とは、税金が具体的に何に使われるかを決めることが目的です。
自治体の議会が予算を決定することで、住民(都道府県民、市町村民)の意思(こうして欲しいという願い)を実行することができるようになります。
予算をめぐる、首長と議会の関係
予算案の提出権は首長だけに認められる特権です。
これに対して議会は、首長の提案予算に対して「修正の議案」を議決して、首長に再考を求めることができる制度になっています。
国の地方制度調査会は「少なくとも議会予算について議長に提出権を認める」方向を示しはじめています。
また、議会が「決算審査を重視」して、「決算不認定」や「改善意見」を出すようになってきたため、首長も「予算案の修正」に応じるようになってきました。
このように、首長と議会の関係には徐々に変化が出てきていますが、抜本的な改革は未だ道遠しといえるでしょう。
日本の地方議員が置かれた環境は、諸外国と比較して劣悪です。
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