「議会」と「会議」は、文字の並びが似ているため、意味を混同しやすい言葉です。
また、議会のニュースでは「本会議」や「委員会」という言葉も使われます。
この記事では、地方議会を中心に、次の違いを整理します。
- 議会と会議の違い
- 本会議と委員会の違い
- 地方議会が担っている役割
最初に結論を示すと、議会は議員によって構成される機関、会議は人が集まって話し合うことや、その場を意味します。
公共政策コンサルタント
◆山辺の3つの視点◆
①国の行政視点:経済産業省(旧通産省)で培った視点
②国際機関の視点:国連勤務経験を生かした視点
③地方の視点:県議会議員時代の現場重視の視点
山辺は県議時代の2000年に、「地産地消政策」を、全国初で実現した。
「議会」と「会議」の違い
「議会」と「会議」の違いは、簡単にいえば、組織・機関を表す言葉か、話し合いを表す言葉かという点にあります。
| 言葉 | 意味 |
|---|---|
| 議会 | 選挙で選ばれた議員によって構成され、重要な事項を審議して決める機関 |
| 会議 | 複数の人が集まり、相談、審議、報告、決定などを行うことや、その場 |
会社や学校、地域の団体でも会議は開かれます。
一方、地方議会は、都道府県や市町村に置かれ、住民が選挙で選んだ議員によって構成される機関です。
つまり、議会という機関の中でも、さまざまな会議が開かれているという関係になります。
議会とは何か
日本国憲法第93条は、地方公共団体に、法律で定めるところにより議事機関として議会を設置すると定めています。
ここでいう「議事機関」とは、地域にとって重要な事項について審議し、意思を決定する機関という意味です。
地方議会では、住民の代表である議員が、首長から提出された議案などを審議します。
地方議会の主な役割は、次のとおりです。
- 条例を制定、改正、廃止する
- 予算を審議して議決する
- 決算を認定する
- 重要な契約や財産の取得・処分などを議決する
- 行政が適切に行われているかを監視する
そのため、議会は単に議員が意見を述べる場所ではありません。
地域のルールや税金の使い道などについて、住民を代表して審議し、自治体としての意思を決める重要な機関です。
議会で開かれる「本会議」と「委員会」
地方議会では、主に「本会議」と「委員会」で議案などを審議します。
どちらも議会で開かれる会議ですが、役割は同じではありません。
簡単にまとめると、次のようになります。
- 本会議:議員全員を構成員として、議会の最終的な意思を決める会議
- 委員会:担当分野ごとに、議案などを専門的、詳しく審査する会議
委員会で詳しく調べ、議論した結果を踏まえて、本会議で最終的な採決を行うのが基本的な流れです。
「本会議」と「委員会」の違い
本会議と委員会の違いは、最終的な意思決定をする会議か、専門的に詳しく審査する会議かという点にあります。
| 項目 | 本会議 | 委員会 |
|---|---|---|
| 構成 | 原則として議員全員 | 選任された委員 |
| 主な役割 | 議案の審議と最終的な議決 | 担当分野の議案を詳しく審査 |
| 扱う内容 | 議会全体に関わる議案 | 所管する分野の議案 |
| 決定の効力 | 議会としての最終決定になる | 審査結果を本会議に報告する |
本会議とは
本会議は、本会議は、全議員で構成される会議です。
本会議は全議員で構成されますが、実際の開催・採決は定足数を満たして行われます。
条例案や予算案などについて、議員が質疑や討論を行い、最後に採決します。
本会議で可決、否決などの結論が出ることによって、議会としての正式な意思が決まります。
そのため、本会議は議会の最終的な意思決定を行う場です。
本会議では、議案の審議のほか、議員による一般質問なども行われます。
委員会とは
委員会は、議案などを担当分野ごとに詳しく審査するために設けられます。
例えば、福祉、教育、産業、建設などの分野ごとに常任委員会が置かれ、所属する議員が専門的に審査します。
本会議だけですべての議案を細かく検討するのは難しいため、委員会では、通常、担当部局などから説明を受け、議案について質疑や審査を行います。
委員会での審査が終わると、委員長がその結果を本会議に報告します。
その報告を踏まえ、本会議で最終的な採決が行われます。
なお、委員会には常任委員会のほか、特定の問題を調査、審査するために設けられる特別委員会や、議会運営を協議する議会運営委員会などがあります。
本会議と委員会はどちらが重要なのか
本会議と委員会は、どちらか一方が重要なのではありません。
委員会には、議案を専門的、具体的に審査する役割があります。
一方、本会議には、委員会の審査結果も踏まえ、議会として最終的な意思を決める役割があります。
つまり、委員会で詳しく審査し、本会議で最終決定するという役割分担です。
ただし、すべての議案が必ず委員会に付託されるとは限りません。議会の判断により、委員会での審査を省略して本会議で採決される場合もあります。
議会と首長の役割の違い
地方自治体では、住民から直接選ばれた議会と首長が、それぞれ異なる役割を担っています。
都道府県知事や市町村長などの首長は、政策を立案し、予算案や条例案などを議会に提出します。議会は、提出された予算案や条例案を審議し、可決するか否決するかを議決します。
つまり、予算や条例について、自治体としての最終的な意思を決定する権限は議会にあります。首長は、議会で成立した予算や条例などに基づいて行政を執行します。
ただし、予算案と条例案では、提出できる人が異なります。
条例案は、首長だけでなく、法律で定められた要件を満たした議員や委員会も提出できます。一方、予算案を議会に提出する権限は、例外的に首長だけに認められており、議員や委員会には予算案の提出権がありません。
議会は、首長が提出した予算案をそのまま可決または否決するだけではなく、修正案や修正動議を提出して、内容を修正することもできます。ただし、その修正によって首長の予算提出権を侵すことはできないとされています。
簡単に整理すると、次のような関係です。
首長:予算案や条例案などを提出し、議会の議決に基づいて行政を執行する
議会:予算案や条例案などを審議・議決し、行政を監視する
議員・委員会:条例案などを提出できるが、予算案そのものは提出できない
このように、議会と首長は役割を分担し、互いにけん制しながら自治体を運営しています。
「議会」「会議」「本会議」「委員会」の違いまとめ
最後に、4つの言葉の違いを整理します。
- 議会は、住民が選んだ議員で構成される意思決定機関
- 会議は、人が集まって話し合いや審議を行うことや、その場
- 本会議は、議会として最終的な意思を決める会議
- 委員会は、分野ごとに議案を詳しく審査する会議
「議会」と「会議」は同じ意味ではありません。
議会という機関の中で、本会議や委員会という会議が開かれています。
この関係を理解すると、地方議会のニュースや議会中継も、よりわかりやすく見られるようになります。
議会で十分な議論が行われないと、議員の役割や議会の存在意義が問われます。
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