地方議員選挙に出るには、いったいいくら必要なのでしょうか。
これは、出馬を考えたとき、多くの方が最初に気になることの一つです。
ただし、選挙にかかるお金は、簡単に「○万円です」と言い切れるものではありません。
選挙の種類や地域、選挙区の広さ、準備期間、事務所の有無、支援者やスタッフの体制などによって、必要な金額は大きく変わります。
そのため、この記事では具体的な金額を断定するのではなく、選挙のお金を考えるときの基本的な考え方をご紹介します。
公共政策コンサルタント
◆山辺の3つの視点◆
①国の行政視点:経済産業省(旧通産省)で培った視点
②国際機関の視点:国連勤務経験を生かした視点
③地方の視点:県議会議員時代の現場重視の視点
山辺は県議時代の2000年に、「地産地消政策」を、全国初で実現した。
選挙にかかるお金は一概には言えません
町村議会議員選挙と市議会議員選挙、県議会議員選挙では、選挙区の広さも活動量も異なります。
同じ市議会議員選挙であっても、
- 選挙区の人口
- 立候補者の人数
- 選挙事務所を借りるか
- 印刷物をどこまで作るか
- スタッフをどの程度お願いするか
- 告示前にどのくらい準備するか
といった条件で、必要な費用は変わります。
また、家族や支援者が手伝ってくれる場合と、外部に依頼する場合とでも差が生じます。
つまり、誰かの選挙でかかった金額が、そのまま自分にも当てはまるとは限りません。
選挙のお金は三つに分けて考えます
選挙に関係する費用は、大きく分けると次の三つです。
告示前の政治活動にかかる費用
立候補の届け出前に行う活動は、一般に政治活動として扱われます。
活動用の印刷物、事務所、交通費、通信費、会場費など、準備を進めるうえでさまざまな費用が生じます。
どこまで活動するかによって金額が変わりやすく、候補者ごとの差が大きい部分です。
告示後の選挙運動で自己負担する費用
告示後は、法律で定められた選挙運動の期間に入ります。
選挙事務所の運営、スタッフに関係する費用、備品、飲食物、車両以外の移動費など、自己負担となるものがあります。
公費負担があるからといって、すべての費用が賄われるわけではありません。
公費負担の対象となる費用
選挙では、候補者の負担を軽くするため、一定の費用を公費で負担する制度があります。
ただし、対象となるものや上限額は決められています。
また、選挙の種類や自治体によって扱いが異なる場合があるため、必ず立候補予定の自治体の選挙管理委員会に確認することが大切です。
供託金も事前に用意する必要があります
選挙に立候補する際には、原則として供託金を納めます。
一定の得票数に達すれば返還されますが、最初に自分で用意しなければなりません。
返ってくる可能性があるお金であっても、出馬時点では必要な資金です。
そのため、選挙にかかる総額だけでなく、「いつまでに、いくら手元に必要なのか」という資金の流れも確認しておかなければなりません。
公費負担があっても、すべて無料になるわけではありません
公費負担という言葉から、「選挙費用の多くを自治体が支払ってくれる」と思われるかもしれません。
しかし、公費負担の対象となるのは、選挙カー、ポスター、ビラなどのうち、定められた範囲に限られます。
上限を超えた分や、対象外の費用は自己負担です。
また、公費負担の対象であっても、選挙後に業者へ支払われる仕組みになっていることがあります。
業者との契約方法や支払い時期についても、事前に確認しておく必要があります。
「公費で賄われるから大丈夫」と考えるのではなく、自己負担になるものと、いったん資金を用意する必要があるものを分けて考えることが大切です。
お金をかけなければよい、とも言い切れません
できるだけお金をかけずに選挙を行うことは、一つの考え方です。
事務所に自宅を使う、備品を持ち寄る、家族や支援者に手伝ってもらうなど、支出を抑えられる場合もあります。
ただし、お金を節約した分だけ、候補者や家族、支援者の時間と労力が増えることもあります。
自宅を事務所にすれば、家族の生活への負担が大きくなるかもしれません。
制作や事務作業をすべて自分たちで行えば、本来取り組むべき活動に十分な時間を使えなくなることもあります。
節約できるかどうかだけでなく、
「誰に、どのような負担がかかるのか」
という視点も必要です。
安く済ませることが、必ずしも無理のない選挙につながるとは限りません。
金額より先に、選挙の条件を整理します
出馬を考えたら、最初から具体的な総額を決めるのではなく、自分の選挙の条件を整理してみましょう。
たとえば、次のような点です。
- 何の選挙に立候補するのか
- 選挙区はどのくらいの広さか
- いつから準備を始めるのか
- 事務所を設けるのか
- 家族や支援者の協力を得られるのか
- 外部に依頼する仕事は何か
- 自己資金をどこまで使えるのか
これらが見えてくると、必要な費用も少しずつ具体的になります。
選挙に必要なお金は、単なる買い物の合計ではありません。
どのような体制で、どのような活動を行うのかによって決まるものです。
出馬前に資金計画を立てておきましょう
選挙では、予定していなかった支出が生じることもあります。
準備が進んでから資金が足りないと気づいても、簡単には活動内容を変えられない場合があります。
そのため、使える自己資金の上限を決め、ある程度の余裕を持たせておくことが大切です。
また、選挙に使うお金については、収支の記録や法律上の取り扱いにも注意しなければなりません。
不明な点は自己判断せず、選挙管理委員会などに早めに確認しましょう。
まとめ
地方議員選挙にいくらかかるのかは、一概には言えません。
選挙の種類、地域、活動期間、事務所、スタッフ、支援体制などによって、必要な金額は大きく変わります。
公費負担の制度はありますが、すべての費用が対象になるわけではありません。
また、支出を減らすことで、候補者や家族、支援者の負担が増える場合もあります。
大切なのは、誰かの選挙費用をそのまま参考にするのではなく、自分の選挙の条件を整理することです。
出馬を検討する段階から、必要な費用と手元資金の流れを確認し、無理のない計画を立てておきましょう。
制度や公費負担の内容は自治体によって異なる場合があります。詳しくは、立候補を予定している自治体の選挙管理委員会にご確認ください。
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