選挙で当選した方へ、お祝いの気持ちを込めて食べ物を贈りたい。
そのように考える方は、少なくないでしょう。
食べ物は、家族で味わうことができ、形として残り続けないため、当選祝いの候補にしやすい贈り物です。
ただし、相手は選挙を終えたばかりです。
当選後も挨拶や手続き、今後の仕事の準備などが続くため、豪華さだけで選ぶと、かえって受け取る側の負担になることがあります。
また、政治家への贈り物は、一般的なお祝いとは異なり、政治資金規正法上の「寄附」に当たる可能性があります。
この記事では、当選祝いとして食べ物を選ぶときのポイントと、法律、贈る時期、のしや表書きについて取り上げます。
この記事でわかること
- 当選祝いに食べ物を選ぶときのポイント
- 相手に負担をかけにくい食べ物
- 政治家への贈り物で注意したい法律
- 贈る時期や受け取り方法
- のしや表書きの一般的な目安
この記事は、当選した方へ個人としてお祝いを贈りたい支援者の方を主な対象としています。
公共政策コンサルタント
◆山辺の3つの視点◆
①国の行政視点:経済産業省(旧通産省)で培った視点
②国際機関の視点:国連勤務経験を生かした視点
③地方の視点:県議会議員時代の現場重視の視点
山辺は県議時代の2000年に、「地産地消政策」を、全国初で実現した。
選挙の当選祝いに食べ物が選ばれる理由
当選祝いには、花や記念品など、さまざまな選択肢があります。
そのなかで食べ物が選ばれる理由の一つは、本人だけでなく、家族や周囲の方と分けて味わえることです。
選挙期間中は、候補者を支えた家族も、普段とは異なる生活を送っていたかもしれません。
食卓を囲んで味わえる品であれば、選挙を終えた節目を家族で感じてもらえることもあるでしょう。
また、食べ物は消費できるため、置き場所に困りにくいという長所があります。
ただし、食べ物なら何でも喜ばれるわけではありません。
好みや家族構成、アレルギー、療養上の食事制限などは人によって異なります。冷蔵庫や冷凍庫に十分な空きがあるとも限りません。
「お祝いらしく豪華なもの」だけでなく、相手が無理なく受け取れるかどうかを考えて選ぶことが大切です。
当選祝いの食べ物を選ぶ5つのポイント
1.賞味期限に余裕がある
当選直後は、挨拶や来客への対応などが続きます。
届いた日に食べなければならない生鮮品より、数日以上保存できるもののほうが、相手の都合に合わせやすくなります。
2.調理に手間がかからない
豪華な食材であっても、下処理や長時間の調理が必要なものは、忙しい時期には負担になることがあります。
温めるだけの食品、盛りつけるだけの品、個包装のお菓子などは、比較的扱いやすいでしょう。
3.保存方法を考える
冷蔵品や冷凍品を贈る場合は、受け取る日時と保存場所への配慮が必要です。
特に大きな冷凍食品を予告なく送ると、冷凍庫に入らないことがあります。
事前に連絡しにくい場合は、常温で保存できる食品も選択肢になります。
4.家族で分けやすい
個包装のお菓子や小分けされた食品は、家族や事務所関係者と分けやすく、少しずつ食べることもできます。
人数がわからない場合は、一度に食べ切る必要のないものが無難です。
5.高価すぎるものを選ばない
当選祝いは、高額であるほど気持ちが伝わるわけではありません。
あまりに高価な品は、相手に気を遣わせるだけでなく、政治家への「寄附」として法律上の確認が必要になります。
お祝いの気持ちが自然に伝わる、常識的な範囲の品を選びましょう。
当選祝いに選びやすい食べ物
当選祝いの食べ物としては、次のような品が考えられます。
日持ちする菓子
焼き菓子、せんべい、羊羹などは、比較的保存しやすく、個包装の商品も豊富です。
来客時に出したり、家族や事務所関係者で分けたりしやすい点も長所です。
調理の負担が少ない食品
レトルト食品、温めるだけの惣菜、小分けされた肉や魚などは、相手の生活に合えば喜ばれることがあります。
冷蔵品や冷凍品は、賞味期限だけでなく、保管に必要なスペースも確かめて選びましょう。
地域や季節を感じられる品
地元の銘菓や名産品、季節感のある食べ物も、お祝いの気持ちを表しやすい贈り物です。
ただし、生ものや消費期限の短い品は、受け取れる日時を確認してから贈るほうが安心です。
お祝いらしさのある品
鯛や肉など、食卓が華やぐ品も候補になります。
縁起のよさや高級感だけで決めず、調理方法、分量、保存期間まで確認することが大切です。
食べ物であっても法律上の確認が必要です
政治家へ贈る食べ物は、法律上「物品による寄附」として扱われる可能性があります。
個人が政治家個人に対して行う政治活動に関する寄附は、金銭や有価証券によるものが原則として禁止されています。一方、物品による寄附には、同じ相手に対して年間150万円までなどの量的制限があります。
また、会社、労働組合、その他の団体が、政治家個人や後援会へ寄附することは認められていません。
したがって、
「食べ物だから、誰が贈っても問題ない」
とは限りません。
誰が、誰に、どのような名義で贈るのかによって扱いが異なるため、ここは慎重に考える必要があります。
会社や団体の名義では贈らない
会社、労働組合、その他の団体は、政治家個人や後援会に寄附することが禁止されています。
食べ物などの品物も寄附に含まれるため、会社名や団体名で当選祝いを贈ることは避けなければなりません。
会社の経営者や団体の役員が、あくまで個人として贈る場合も、会社の経費を使ったり、実質的に会社や団体が負担したりしないよう注意が必要です。
個人から政治家個人への政治活動に関する寄附は、年間150万円以内の物品などに限られています。会社、労働組合、その他の団体から政治家個人や後援会への寄附は、認められていません。
判断に迷う場合は、贈る前に相手の事務所や選挙管理委員会へ確認しましょう。
商品券やギフトカードは避ける
当選祝いとして、次のようなものを考える方もいらっしゃるでしょう。
- 商品券
- ビール券や酒券
- プリペイドカード
- 電子ギフト
- 宿泊券
- カタログギフト
しかし、政治家個人への政治活動に関する寄附では、金銭や有価証券による寄附が原則として禁止されています。
商品券やプリペイドカードなどは、現金に近い性質を持ちます。品物との交換券やカタログギフトも、内容によって判断が分かれる可能性があります。
一般の人が法的な扱いを見分けるのは難しいため、当選祝いには選ばず、食べ物そのものを贈るほうが安心です。
当選祝いを贈る時期
当選祝いは、開票が終わり、当選が確定してから贈ります。
一般的には、当選後できるだけ早い時期に祝意を伝えますが、品物を急いで届ける必要はありません。
当選直後は、事務所の片づけ、支援者への挨拶、各種手続きなどが重なります。
特に冷蔵品や冷凍品、生ものを贈るときは、突然発送せず、受け取れる日時や送り先を確認したほうがよいでしょう。
選挙事務所は、選挙後まもなく閉じられることもあります。
住所を確認せずに送ると、受け取ってもらえなかったり、転送に時間がかかったりする可能性があります。
遅くなった場合も、失礼になると過度に心配する必要はありません。
「ご当選おめでとうございます。少し落ち着かれたころに召し上がっていただければと思い、お送りしました」
など、ひと言添えれば、気持ちは伝わります。
のしと表書きの一般的な目安
当選祝いの食べ物には、紅白の蝶結びの水引が一般的です。
表書きは、次のようなものが使われます。
- 御当選御祝
- 祝御当選
- 御祝
選挙の当選は、今後も重ねてほしいお祝い事であるため、何度でも結び直せる蝶結びが用いられます。
ただし、地域や販売店によって表記が異なることがあります。
贈答品を扱う店舗で「選挙の当選祝いです」と伝えれば、一般的な形に整えてもらえるでしょう。
形式にこだわりすぎる必要はありませんが、贈り主の名前は、わかるように記載しておくことをおすすめします。
当選後には複数のお祝いが届くこともあります。送り状、のし、メッセージカードのいずれかに氏名があれば、受け取った側もお礼を伝えやすくなります。
メッセージは短くても十分です
品物に添える言葉は、長くなくても構いません。
たとえば、次のような内容です。
ご当選、誠におめでとうございます。
今後ますますのご活躍をお祈り申し上げます。
ご家族の皆さまで召し上がっていただければ幸いです。
親しい方であれば、もう少しやわらかくてもよいでしょう。
ご当選おめでとうございます。
選挙、本当にお疲れさまでした。
お時間のあるときに、皆さまで召し上がってください。
大切なのは、豪華な言葉ではなく、当選を喜び、今後の活躍を願う気持ちです。
当選祝いの食べ物は負担にならないものを
当選祝いに食べ物を贈るなら、相手が受け取りやすく、無理なく味わえるものを選びましょう。
日持ち、保存方法、調理の手間、分量などを考えると、選びやすくなります。
また、食べ物であっても、政治家への贈り物は法律上の寄附に当たる可能性があります。
特に、次の点には注意が必要です。
- 会社や団体の名義で贈らない
- 商品券やギフトカードを選ばない
- 高額すぎる品を避ける
- 誰から誰への贈り物なのかを確認する
- 迷ったときは事務所や選挙管理委員会に相談する
当選祝いは、金額や豪華さを競うものではありません。
「当選、おめでとうございます」
その気持ちが、相手に負担をかけない形で届くことが、何よりのお祝いになるでしょう。
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