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【地方議員選挙の基礎票とは何か】政治と選挙の基礎【官僚/県議会議長経験者の視点】

この記事を読むとわかること

  1. 地方議員における「基礎票」とは何か、基本的なことがわかる。
  2. 地方議員選挙の場合の「基礎票」とは何か、次の4例の具体例がわかる。

A:現職議員
B:親族に議員(元議員も含む)がいる候補者
C:地元経済界で有力な経済人の場合
Ⅾ:新人候補者

Dは、コネもお金も無い場合の候補者です。

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【①地方議員向けに特化した情報
既存の議員関連情報(選挙マニュアル等)が国会議員向けで活用しにくいとお感じの方におすすめです。

【②議員当事者ならではのノウハウや実情が豊富
連続6回当選の元県議会議長が、勝ち抜いてきたノウハウを公開しています。保守三つ巴の熾烈な選挙戦や、他の候補者の選対として培ったノウハウもご紹介します。

【③ 地方議員と支援者への応援情報
官僚・国連勤務・県議経験者の筆者が、地方議員からは見えにくい「国会議員と地方議員の違い」「他国と日本の違い」をふまえて解説しています。選挙法規等は議員目線で読み解いています。議員活動を支えた妻も、人材育成業の経験を活かし、わかりやすい情報を目指して執筆に加わっています。

目次はクリックしてご覧下さい。

一般的に言われている「基礎票」は地方議員選挙には当てはまらない

「基礎票」とは何でしょうか。

地方議員選挙での「基礎票」を、ここでは次のように定義してみました。

 

選挙で事前に見込まれる票数のこと。その候補者に手堅く投票してくれそうな人の数。

実は、「基礎票」をネットで調べても「国会議員選挙」を想定した解説となっていて、そのまま地方議員に当てはめることができません。

たとえば下記の赤字部は、地方議員には当てはまりません。

読み方:きそひょう
選挙で、政党の党員や支持母体・団体などの構成員による、事前に見込まれる票数。固定票組織票。→浮動票

出典「基礎票の意味解説」(Weblio)

 

地方議員には、所属する政党の党員や支持母体・団体などの構成員による、事前に見込まれる票数は無い
 公明党や共産党など一部例外があります。
では地方議員選挙では、いったい何を「基礎票」と言っているのでしょうか。
この記事は【地方議員の実情に即した】表現で「政治と選挙の基礎」解説を試みています。詳細はここをクリックしてご覧ください。
この記事は主に「現職地方議員の方」と「これから地方議員を目指す方」にお読みいただく事を想定し「あなた」と呼びかけて書くことがあります。どうぞご了承ください。政治や選挙の情報は国会議員向けのものが多いため、できるだけ【地方議員の実情に即した】解説ができないか試行錯誤しています。不備な点が少なくないと思いますがどうぞ宜しくお願いします。

地方議員選挙の「基礎票」を解説

選挙で事前に見込まれる票数のこと。その候補者に手堅く投票してくれそうな人の数。
◆事前とは◆
事前とは、「選挙運動」あるいは「政治活動」を、本格化する前のこと。

 

やまさん
「選挙運動」と「政治活動」の違いがわからないときは、この記事の下の方で紹介する関連記事も参考にしてみてください。

 

「基礎票」を把握するとは

基礎票を把握するとは、下記を確認するということです。

いつ  選挙運動や政治活動を、本格的に始める前段階で
どこで あなたが立候補を予定している選挙区内で
誰   あなたに手堅く投票してくれそうな人は、何人いるか

 

「候補者に手堅く投票してくれそうな人」とは誰のことですか。
候補者と有権者との関係からみる必要があります。一概には言えません。

 

がんばるくん
国会議員選挙は「政党」がもっている票で「基礎票」がある程度読めるけど、地方議員にはそれが無いのですね。
やまさん
そのとおりです。地方議員選挙は、候補予定者自身がどんな人間関係をもっているかで、基礎票がぜんぜん違ってくるのです。
では次の項目で、更に具体的に解説するために、実際に多いパターンでご紹介します。
がんばる君
現実的な「いつ」についての詳細も、このあとで説明しますよ。

 

その候補者に手堅く投票してくれそうな人とは

ここでは地方議員選挙の候補者によくあるタイプを4つ取り上げました。

A:現職議員
B:親族に議員(元議員も含む)がいる候補者
C:地元経済界で有力な経済人の場合
Ⅾ:新人候補者

 

それそれが自分の「基礎票」についてどのように捉えているのかご紹介します。

 

選挙で事前に見込まれる票数のこと。その候補者に手堅く投票してくれそうな人の数。

A:現職議員の場合

「基礎票」を数えるために参考にするもの

  1. これまでの選挙で自分に票を投じてくれた有権者の人数
  2. 後援会などの会員数
  3. 後援会実施事業などの参加者数
  4. 政治活動中の手応え
現職議員の基礎票は、自分の選挙実績を基にいつでも何度でも数えることができます。
何よりも現職議員であるということは、本格的な政治活動を続けている状態です。したがって今から政治活動を始める新人と比較した場合、自分にどれだけの支援者がいるか把握しやすいのです。既に有権者に「政治家」として認識してもらえた上で、後援会等にかなりの会員数があることも珍しくありません。更にこれまでに後援会等の支援組織が開催した「〇〇議員を囲む集い」や、自身が開催した「〇〇の市政報告会」に出席していただいた人数の積み上げがあります。

 

がんばるくん
選挙で現職が有利と言われるのは「基礎票」を築いてきた実績があるからなのですね。
やまさん
必ずしも現職優利とは言い切れません。新人は未知数のため期待を集めやすいとも言えるからです。
がんばる君
次は、新人にも当てはまるケースをご説明します。

 

B:親族に議員(元議員も含む)がいる候補者の場合

いわゆる世襲議員です。

「基礎票」を数えるために参考にするもの

  1. これまでの選挙で親族議員に票を投じてくれた有権者の人数
  2. 親族議員の後援会などの会員数
  3. 親族議員の後援会実施事業などの参加者数
  4. 親族議員の政治活動中の手応え
  5. 自分自身の人間関係
いわゆる世襲議員などは、既にある「基礎票」を引き継ぐことが多いので数えやすいです。
親族議員が得てきた支援者などをベースに、支援者の体制が速やかにつくれるので、直前の動きでも当選できる見込みがあります。

C:地元経済界で有力な経済人の場合

地元企業の社長が候補者になったときなどを想像してみてください。

「基礎票」を数えるために参考にするもの

  1. 会社経営の場合、その会社や下請け会社などの従業員・従業員家族の人数
  2. 政治・経済界の関係の深い経営者
  3. 自分自身の人間関係
たとえば社長が立候補する場合は、従業員や下請け会社、ひいては地域経済界に、経済的影響を受ける有権者が十分見込まれます。したがって「基礎票」も把握しやすく支援者体制も速やかにつくりやすいのです。そのため告示直前の動きでも当選できる見込みがあります。候補者本人が経済人でなくても「身内から議員を出したい」という経済人がいると同様の状況となります。

 

がんばるくん
つまり世襲かお金持ちじゃないと、志があっても「ただ」の新人じゃ、「基礎票」がないという現実があるってことですか?
やまさん
コネもお金もないという場合、次のケースが多いです。

D:新人候補者の場合

「基礎票」を数えるために参考にするもの

  1. 自分の個人的な人間関係
  2. 自分の勤務先や所属組織などの仲間
「いつかは議員に」と考え、JCや消防団活動などを長年行ってきて、仲間を増やしている人もいます。政治に馴染みのある組織で、長年かけて人間関係を築いてきた人にとっては、「基礎票」は数えやすいのです。

 

がんばるくん
長年、JCや消防団に入って人脈形成というパターンの候補者であっても、もともと身内に議員がいたり、社長の息子だったりするケースも多いと思うなあ。
コネもお金もない候補者の場合、「基礎票」はどうしたらよいのですか。
コネとお金は自分で作る覚悟が必要です。「基礎票」は自力で仲間を増やす、それも時間をかけて増やしていくしかないでしょう。そうやって頑張って当選した議員はたくさんいらっしゃいます。もしその努力をしないまま勢いで立候補しても、地方議員選挙の場合、かなりの苦戦を強いられることが予想されます。最低1年はかけて「基礎票」づくりに取り組むとよいでしょう。
地道な人間関係を築いていない場合は、地方議員選挙で当選することは難しい。
もし立候補を考えているなら、自分には「基礎票」が、どこに何票あるのか数えましょう。
「前」段階で「基礎票」数がわかれば、その時点での当選の見込みが判断できます。
それがわかれば無用な不安に打ち克って、活動を本格化させていけます。
また、あまりに無謀なチャレンジだとわかったときは、出馬を取りやめることができます。
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やまさん
では次に、「基礎票」はいつ数えるのが良いのか、説明します。

「基礎票」はいつ判断したらよいのか

「基礎票」を数えて、選挙の当落を見きわめるタイミングは
地方議員の場合、遅くとも告示日の3か月前に1度は行うとよい。
早い分にはいつから始めてもよい。
その後も必要に応じて何度でも「基礎票」を確認し、告示前に本当に立候補するかどうか判断するとよい。

可能な限り早いうちから、繰り返し戦略的に「基礎票」を確認することはおすすめです。

 

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連続6回当選の元県議会議長が、勝ち抜いてきたノウハウを公開しています。保守三つ巴の熾烈な選挙戦や、他の候補者の選対として培ったノウハウもご紹介します。

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