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地方議員が応援を求めてはいけない相手【県議会議長OBの解説|政治と選挙の基礎】

この記事は【地方議員の実情に即した】表現で「政治と選挙の基礎」解説を試みています。詳細はここをクリックしてご覧ください。
この記事は主に「現職地方議員の方」と「これから地方議員を目指す方」にお読みいただく事を想定し「あなた」と呼びかけて書くことがあります。どうぞご了承ください。政治や選挙の情報は国会議員向けのものが多いため、できるだけ【地方議員の実情に即した】解説ができないか試行錯誤しています。不備な点が少なくないと思いますがどうぞ宜しくお願いします。

政治家は、多くの方に応援していただけるのが一番です。

ただ、公務員、教師、民生児童委員の方々は、政治上の活動が制限されていますのでご注意ください。

公務員、教師、民生児童委員の方々に協力してもらえることは限られている。

ただし

結論! 現職中はダメだけど、「元」公務員、「元」教員、「元」民生児童委員の皆さんの力は、安心して借りていい。
とてもややこしい話になりますが、その理由や詳細をこれからご説明します。
やまさん
以上が結論ですので、この先は、読み進まなくても大丈夫ですよ。ご関心のある方はどうぞお付き合いくださいね。

公務員・教員に関する制限

公務員、教員の選挙運動についての制限は次の通りです。

がんばるくん
ここ、読み飛ばしてもいいよ。

公職選挙法(第135条~第137条の3)では、
公務員がその地位を利用して選挙運動をすることは全面的に禁止されており、また、その地位を利用して候補者の推薦、後援団体の結成に参画するような選挙運動とみなされる行為についても禁止されています。さらに、教員については教員の身分を有する限り、勤務時間の内外を問わず、また、休暇、休職、在籍専従期間、育児休業、停職等により現実に職務に従事しない場合にあっても、教育上の地位を利用した選挙運動が禁止されています。

 

注目すべきは次の点です。

公務員・教員は、選挙運動と後援会活動を除いたその他の政治活動は禁止されていません。憲法が保障する政治活動の自由が優先され、政党活動や労働組合活動ができるようになっています。

 

がんばるくん
「選挙運動と後援会活動を除いたその他の政治活動は禁止されていない」ってどういうこと?
やまさん
実は選挙関連法規は「それってどういうことなのか」はっきりとしていないことが多いのです。
根拠にしたい法律が読み解くのが難しくてグレーゾーンが沢山あるなんて本当に困ります。
がんばるくん
法律は「国会議員」が決めることになっていて、地方議員には決められないんだよ。国会議員にもう少し当事者意識があればもっと変わると思うけどな。

 

なぜ国会議員は当事者意識を持っていないのかについての説明は、本記事の最後で紹介しています。

次は民生児童委員に関する制限をご紹介します。

民生児童委員に関する制限

民生児童委員の政治についての制限は次の通りです。

やまさん
ここも読み飛ばして大丈夫です。

民生委員法第16条では、
民生委員は職務上の地位を政治的に利用することは禁止されています。これに違反したものは民生委員法の規定に従い、委嘱を取消されることがあります。(児童福祉法により、民生委員は児童委員を兼務することになっているので、あわせて民生児童委員と呼ばれます)

民生児童委員の方々は、「職務上の地位を利用した政治活動」が法律により禁止されています。

 

がんばるくん
出たぞー、難解な説明。「職務上の地位」を利用しない活動ってどういうことか、はっきりさせてほしいなあ。

 

公務員、教員、民生児童委員の方には応援を求めてはいけないが、「元」ならOK

公務員、教員、民生児童委員の方々に対して、現職議員やこれから議員を目指す人が、いろいろとお願いしたりするのは「危険な橋を渡る」ようなところがありますね。

ただし次のことは言えるでしょう。

現職議員や、これから議員を目指す方には、公務員、教員、民生児童委員の方々には、できるだけ挨拶に行ったほうがよい。

 

教師や民生児童委員の方々は、いわば「世間に顔が広い」方々です。
またそもそも「社会貢献」活動をしているとも言えるお立場ですので、政治家の志を理解してくださる可能性は高いでしょう。

もし良い印象を持っていただければ、思わぬ口コミ効果が生まれることも少なくありません。
特に地方では、この方々の影響力は大きい傾向にあるでしょう。

 

やまさん
地元を良く知っていて、事務能力にも優れた方が多いです。特に「元」の方々には日ごろからお付き合いしていただけるよう働きかけてみましょう。
がんばるくん
っていうか、「元」公務員、「元」教員、「元」民生児童委員の皆さんには、積極的に政治に参画して本領を発揮してもらえるといいなあ。
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本ブログ3つの特色

【①地方議員向けに特化した情報】
既存の議員関連情報(マスコミ報道や選挙マニュアル等)は国会議員を想定したものが中心です。地方議員の実情に合った情報をお探しの方におすすめです。

【②議員当事者ならではのノウハウや実情が豊富】
連続6回当選の元県議会議長が、勝ち抜いてきたノウハウを公開しています。保守三つ巴の熾烈な選挙戦や、他の候補者の選対として培ったノウハウもご紹介します。

【③ 地方議員と支援者への応援情報】
官僚・国連勤務・県議経験者の筆者が、地方議員からは見えにくい「国会議員と地方議員の違い」「他国と日本の違い」をふまえて解説しています。選挙法規等は議員目線で読み解いています。議員活動を支えた妻も、人材育成業の経験を活かし、わかりやすい情報を目指して執筆に加わっています。