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【当選祝い】現金は法律違反の危険性! 贈り主も当選者も注意! 元官僚・県議会議長OBが詳しく解説【選挙】

現金は当選祝いとして、候補者に渡してもよいでしょうか?
この質問への答えは、「いいえ」と「はい」、両方です。

いいえ! 現金は当選祝いとして、候補者に渡してはいけません。
はい!  現金は当選祝いとして、候補者の政治団体に寄付してもよいです。

このルールは法律で決まっているので、守らなければ法律違反になります。

政治資金規正法では、現金の扱いが「候補者」と「候補者の政治団体」で真逆になる場合があり、かなり難しいのです。
しかも、商品券、ギフトカード、プリペイドカードなどの有価証券も、現金と同じに扱われるので、注意が要ります。

この記事では、「当選祝い」について、現金はどう扱うのがよいか、詳しく法律の関係個所を解説します。
法律違反の危険性を避けるために、ぜひ参考にしてください。

【筆者/やまべみつぐ】について
【やまべみつぐ(山辺美嗣)】
通産官僚、国連(ジュネーブ)、独法(ニューヨーク)での勤務を経て、県議に。日本初の地産地消政策や、地方議員としてロシアとの直接交渉などを実現しました。その後、県議会議長に就任。保守三つ巴の熾烈な選挙戦を経験し、他の候補者の選対としても活動しました。現在、政治行政のコンサルタント。議員引退を機に、故郷の雪国から子や孫のいる関東に転居。孫5人。

現金は当選祝いとして、候補者に渡してはいけない

現金は当選祝いとして、候補者に渡してはいけません。

なぜなら、現金を候補者に渡せるのは、選挙運動中に限られているからです。
ですから、選挙運動がすでに終わっている投票日以降は、現金を候補者に渡してはいけないのです。

選挙運動中と、選挙運動が終わってからでは、現金の扱いは法律上まったく違ってきます。

 

選挙運動中、候補者陣営は選挙資金対策として、支援者に寄付金をお願いしてきたことと思います。
つまり、極端なことをいえば、投票日の前日まで「現金を寄付してください」と呼びかけてきたかもしれません。

やまさん
選挙資金対策というのは「選挙運動に使う」資金を集めることです。
選挙運動中、現金は候補者に渡せます

では、選挙運動が終わったらどうなのでしょうか?

選挙運動が終わると、現金は候補者に渡せません。

渡した場合、贈り主も候補者も法律違反になります。

 

このルールの根拠は、政治資金規正法に書かれている次の条文です。
なお、法律中の「公職の候補者」とは、選挙に立候補した人だけでなく選挙に当選した人のことも意味します。

 

政治資金規正法第21条の2

何人も、公職の候補者の政治活動(選挙運動を除く。)に関して寄附(金銭等によるものに限るものとし、政治団体に対するものを除く。)をしてはならない。

この条文は、非常に複雑に作られており、理解するには熟練が要りますので、わかりやすく説明します。

まず(選挙運動を除く)に注目しましょう。

この括弧を外して、読みくだすと次のことが書かれているのです。

何人も、選挙運動を除く公職の候補者の政治活動に関して、金銭等を寄付してはならない。

つまり「候補者に金銭等を寄付してはよいのは、選挙運動のときであって、選挙運動でないときは寄付してはいけない」と書かれているのです。
これが、「選挙運動中は、現金を候補者に渡せる」「選挙運動が終わると、現金を候補者に渡せない」根拠です。
がんばる君
なるほど! ようやく法律が意味していることが分かりました。本当に難解な法律ですね。
やまさん
それと、括弧の中にそれとなく書かれているので読み落としがちだけど、金銭等の「等」には、現金以外に有価証券も含むことは重要なところですね。

 

現金のほか、株券、商品券、ギフトカード、プリペイドカードなどの有価証券も、現金と同じように規制の対象になります。
現金を授受した後で、違反だと気がついた場合はどうすればよいのでしょう?
そのときは、早く返金すれば違反を回避することができます。
現金を贈った人、あるいは、現金を受け取った候補者の、いずれかが、法律に違反していると気がついたら、相手に連絡をとって違反でない状態に戻すことが重要です。
違反している期間がどれくらいまで許されるかは、裁判で判定されるので、事前に知ることは出来ません。

現金は当選祝いとして、候補者の政治団体に渡してもよい

選挙が終わった後、現金を当選祝いとして候補者の政治団体に渡す場合について、法律はどのようになっているでしょうか。

もう一度、政治資金規正法第21条の2を見てください。

政治資金規正法第21条の2

何人も、公職の候補者の政治活動(選挙運動を除く。)に関して寄附(金銭等によるものに限るものとし、政治団体に対するものを除く。)をしてはならない。

がんばる君
( )の中の「政治団体に対するものを除く」のところが、よく分からないです。
やまさん
では解説しましょう。

今度は(政治団体に対するものを除く)の括弧部分に注目します。

「(・・・を除く)をしてはならない」という二重否定文ですから「・・・をしてもよい」という解釈になります。

選挙運動を除く候補者の政治活動に関して、寄附(金銭等によるものに限るものとし、政治団体に対するものを除く。)をしてはならない

つまり「選挙運動が終わったら、候補者の政治団体に、金銭等を寄付をしてもよい」と書かれているのです。

選挙運動が終わると、現金を候補者の政治団体に渡せます。
がんばる君
なるほど! わかりました! それにしてもなぜ法律はこんなにも分かりにくく書くのでしょうか?
やまさん
政治資金規正法は、政治とカネの事件が起きるたびに改正されてきました。ですから、条文はつぎはぎで、複雑怪奇な構造になってしまったのです。
がんばる君
分かりにくい法律を放置している国会議員の責任は重いと言えそうですね。
やまさん
「もっとわかりやすくしてほしい」と地方議員や有権者から声をあげているのですが、なかなか変わりませんね。
がんばる君
もしかしたらグレーゾーンが多い方が国会議員には都合がいいのかも? なんだか疑いたくもなりますね。
候補者の政治団体である、後援会、資金管理団体、政党支部などには、現金を当選祝いとして寄付してもよいのです。
ただし、寄付としての領収書の授受を忘れないようにしましょう。
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がんばる君
次は、当選祝いを裏金にした場合の解説です。

注意! 当選祝いの現金を、絶対に裏金にしてはならない

候補者は、現金を当選祝いとしてもらうと政治資金規正法違反になります。起訴されたあとに議員辞職するケースも多いですし、有罪が確定すれば罰金刑が課されるでしょう。

その際、当選祝いの現金が「裏金」であった場合は、もっと重い刑事罰の対象にもなります。

例えば、A社長が「いろいろと市の入札ではお世話になったね。これは当選祝いだから」と候補者のポケットに封筒を入れたとします。

明らかに「裏金」であるこのケースは、刑法のあっせん収賄罪に該当して、5年以下の懲役という重罰になる危険性があります。

当選祝いの現金は、政治団体に寄付金として入金し、正しい処理をすることが大切です。絶対に裏金にしないようにしてください。

まとめ

この記事でお伝えしたことはつぎの2つです。

現金を当選祝いとして候補者に渡すと、渡した人も候補者も、法律違反になります。
現金を当選祝いとして、候補者の政治団体に寄付することができます。

 

当選祝い

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官僚・国連勤務・県議経験者の筆者が、地方議員からは見えにくい「国会議員と地方議員の違い」「他国と日本の違い」をふまえて解説しています。選挙法規等は議員目線で読み解いています。議員活動を支えた妻も、人材育成業の経験を活かし、わかりやすい情報を目指して執筆に加わっています。